2018年 WACCAへの引き継ぎ|地球環境基金アグロフォレストリー事業

2018 Transfer to Local Organization

2018年 WACCAへの引き継ぎ

2018年は、地球環境基金助成事業で進めてきたアグロフォレストリー活動を、現地の生産者団体WACCAへ引き継ぎ、地域主体での継続を目指した年です。

本事業は当初3年間の計画でしたが、2年目後半に地域組織への引き継ぎへ進みました。これにより、WAND Foundationが主導してきた活動を、農家自身が参加する地域組織が担い、地域の中で続けていく段階へ移行しました。

WACCAへの引き継ぎに向けた地域での会議と資料確認の様子

2018年の位置づけ

2018年は、地球環境基金助成事業の活動をまとめ、現地で継続できる形へ移していく年度です。2016年に始まった農家調査、研修、苗木提供、植栽活動、2017年に進んだデモファーム拡大や生産者団体づくりを、地域主体の運営へつなげることが重要なテーマとなりました。

報告書では、2年目の後半に地元組織WACCAへ活動を委譲することになり、次年度以降はWACCAが今後の活動の主な管理者となると整理されています。

年度2018年
主な内容WACCAへの引き継ぎと地域主体の継続
対象地域レイテ州アルブエラ市周辺農村地域
次の段階農家自身による管理、販売、地域連携へ

WACCAとは

WACCAは、「気候変動と飢餓に対する女性の行動」を意味する地域の生産者団体です。正式名称はWomen’s Action Against Climate Change and Hungerで、アグロフォレストリーの実践を促進し、農産物のマーケティングを主導し、自治体や関係機関に働きかける地域組織として位置づけられました。

WACCAは、13名の中核的指導者と203名のメンバーで構成され、デモファームによる農民間普及の監督、グループマーケティング、製品プロモーション、地元機関との連携、共通貯蓄基金づくりなどに取り組む組織として整えられました。

13名WACCAの中核的指導者
203名WACCAのメンバー
2回AF転換促進セミナーをWACCA指導者が主導
8市場有機栽培品販売のために特定された市場

地域組織への引き継ぎ

WACCAへの引き継ぎは、外部団体による支援を地域の中で続く活動へ移すための重要なステップでした。農家自身が参加する組織が管理者となることで、デモファームの普及、農産物の販売、地域機関との連携を継続しやすくなります。

2018年のページでは、活動を終えるというよりも、地域の手に渡し、現地の人々が自分たちの活動として続けていく段階へ進んだことを伝えることが大切です。

地域の参加者に作付け計画を説明し活動を共有する様子

WACCAが担う役割

WACCAは、アグロフォレストリーの普及を続けるだけでなく、農家の農産物をまとめて販売するための調整、地域の資源提供者との連携、農家グループの運営、将来の市場開拓を担う存在として期待されました。

これまでの事業で作られたデモファーム、家庭菜園、苗木、作物栽培の経験を、地域の中で活かし続けるためには、農家自身が学び合い、販売し、資金を積み立て、必要な支援を地元機関とつなぐ体制が必要でした。

地域農家との話し合いと活動継続に向けた確認の様子

販売と市場づくりへの課題

本事業では、農家が生産した農産物を地域で販売していくための仕組みづくりも重視されました。報告書では、WACCAが有機栽培で作られた製品販売のため、計8つの市場を特定したことが記録されています。

一方で、農産物はそのままでは腐敗しやすく、安定した販売収入につなげるためには、加工や保存、付加価値化が今後の課題として残りました。乾燥、凍結乾燥、焙煎乾燥など、より長い保存期間と高い市場価値を持つ加工品づくりが、今後の展望として示されています。

市場の特定

WACCAは、農産物や有機栽培品を販売するための市場を確認し、販売活動の基礎を作りました。

農産物の付加価値化

腐敗しやすい農産物を、乾燥や加工によって長く保存できる商品へ変えることが課題となりました。

地域連携

州内の政府・非政府組織、地元機関、資源提供者との連携が、活動継続のために重要になりました。

植栽地と活動の継続

2016年から2017年にかけて、農家は多くの苗木や作物を植え、家庭菜園やデモファームを広げてきました。2018年以降は、それらを地域の中で管理し、育て続けることが求められます。

植栽した樹木が育ち、農地の土壌や水環境に良い影響をもたらすには時間がかかります。そのため、WACCAのような地域組織が活動を引き継ぐことは、長期的な環境回復にとって重要でした。

地球環境基金助成事業で整備された植栽地と看板

2018年の活動の流れ

2018年は、これまでの支援活動を地域の中で継続するため、WACCAを中心とした運営体制へ移していく段階でした。

1

地域組織を確認する

WACCAを、アグロフォレストリー活動を引き継ぐ地域組織として位置づけました。

2

デモファーム普及を継続する

農民間で学び合い、周辺農家へアグロフォレストリーを広げる役割をWACCAが担います。

3

市場と販売を考える

農産物を販売するための市場を確認し、将来の収入向上へつなげる準備を進めました。

4

地域主体の継続へ進む

WAND Foundationの活動をWACCAが引き継ぎ、現地で運営を続ける段階へ移行しました。

2018年の活動写真

2018年ページでは、苗木や農地だけでなく、地域の人々が話し合い、活動を引き継いでいく様子を中心に見せることが大切です。

WACCAへの引き継ぎに向けた会議と資料確認
引き継ぎに向けた会議
地域参加者と作付け計画を共有する様子
作付け計画の共有
活動継続を象徴する植栽地と地球環境基金の看板
植栽地と活動の継続

2018年のまとめ

2018年は、地球環境基金助成事業の一区切りであると同時に、現地の人々による継続の始まりでもありました。WACCAへの引き継ぎにより、デモファーム、農民間普及、農産物販売、地域連携を、地域の中で続けていく体制が整えられました。

今後の課題としては、農産物の販売量を増やすこと、加工によって市場価値を高めること、地元の行政機関や支援団体との連携を強めることが挙げられます。アグロフォレストリーは、苗木を植えて終わる活動ではなく、農家と地域が時間をかけて育てていく取り組みです。

年度別報告ページ

地球環境基金助成事業の流れを、年度別に整理しています。2018年は、2015年の調査、2016年の活動開始、2017年の活動拡大を受けて、地域主体の継続へ進んだ年です。

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2015年から2018年までの地球環境基金助成事業全体の背景、活動内容、主な成果は、親ページにまとめています。