Toyota Environmental Activities Grant Program
トヨタ環境助成プロジェクト
フィリピン・レイテ州タナワン周辺で、ココナッツ農家のアグロフォレストリー転換を通じた気候変動対策、農村環境の回復、地域組織づくりに取り組んだプロジェクトです。
HHHJapanは、トヨタ環境活動助成プログラムの支援を受け、現地実施団体WAND Foundationと連携しながら、農家調査、植樹グループの形成、デモファーム、苗木・野菜・果樹の植栽、気候変動教育、農家組織の強化、コロナ禍での活動継続に取り組みました。

事業概要
本プロジェクトは、台風ハイヤンによって被害を受けたレイテ州北東部タナワン周辺の農村地域を対象に、ココナッツ農家のアグロフォレストリー転換を促進し、気候変動への適応力を高めることを目的として実施されました。
農家がココナッツだけに依存する農業から、木、野菜、果樹、茸類、家庭菜園、地域組織を組み合わせた持続可能な農業へ移行できるよう、現地での研修と実践を重視しました。
事業の背景
台風ハイヤンの後、レイテ州の広い農地は大きな被害を受けました。ココナッツ農家は生活基盤を失い、地域の環境回復と農家の収入源づくりが大きな課題となっていました。
タナワン周辺では、農家や地域リーダーが環境改善に強い関心を持っており、アグロフォレストリーを通じた復興支援への参加意欲も高い状態でした。この地域の関心と協力が、プロジェクトを前に進める大きな力になりました。

なぜアグロフォレストリーなのか
アグロフォレストリーは、木、野菜、果樹、茸類などを組み合わせ、農家の収入源を多様化しながら、土壌や水、森林環境の回復にもつなげる農業の方法です。
トヨタ環境助成プロジェクトでは、苗木や作物を植えるだけでなく、農家同士が学び合うデモファーム、近隣植樹グループ、村落組織の強化、農産物販売への準備を組み合わせ、地域の中で続く仕組みづくりを目指しました。

活動の流れ
プロジェクトは、2019年の事業開始と調査から始まり、植栽拡大、デモファーム形成、地域組織強化、マーケティング準備、コロナ禍での活動継続と最終評価へ進みました。
1〜6月:事業開始・調査・初期植栽
タナワン周辺で事業を開始し、農家調査、近隣植樹グループ形成、35のデモファーム特定、16,000本の植栽、気候変動適応セミナーを実施しました。
7〜12月:植栽拡大・地域組織強化
24,500本の果樹・木材樹・野菜の植栽、65の追加デモファーム、組織管理研修、気候変動セミナー、現地視察を行いました。
1〜6月:組織強化と継続計画
地域組織の強化、農産物マーケティング準備、デモファーム拡大、植栽と技術支援の継続を計画し、活動継続を図りました。
後半〜2021年:コロナ禍での継続と最終評価
移動制限や集会制限の中で、17,000本の果実・野菜・茸類の配布・植栽、学習資料の配布、電話やテキストによる技術支援、最終評価調査を行いました。
主な活動内容
トヨタ環境助成プロジェクトでは、植栽だけでなく、農家の学び、地域組織、デモファーム、マーケティング、コロナ禍での継続支援まで、複数の活動を組み合わせました。

農家研修と技術支援
WANDの専門家が、農家から農家へ広がるアグロフォレストリー転換のための研修と技術支援を行いました。

苗木・果樹・野菜の植栽
木、野菜、果物、茸類を組み合わせた植栽を通じて、農家の生活再建と環境回復を目指しました。

デモファームづくり
農家同士が見て学べるデモファームを設置し、地域の中で技術が広がる仕組みを作りました。

地域組織の強化
近隣植樹グループや村落組織の管理能力を高め、地域主体で活動を続ける基盤を育てました。
数字で見る主な成果
報告期間ごとに、調査、植栽、セミナー、デモファーム、地域組織づくりが進みました。特に2019年には、活動の立ち上げと拡大が大きく進みました。
地域からの関心と広がり
プロジェクトは、地域リーダーや住民から高い関心を集めました。実施地域では、台風後の農地復旧や環境改善が十分に進んでいなかったため、地域住民は自分たちの環境を改善する活動に強い意欲を持っていました。
2019年には、タナワン市長から、当初3つのバリオを対象としていたプロジェクトを5つのバリオへ拡大したいという要望も出されました。また、農業開発や環境関連の行政機関も現地の進捗を視察するようになり、プロジェクトは地域の中で注目される活動へと成長しました。

コロナ禍での課題と対応
2020年後半以降、コロナ禍による移動制限や集会制限のため、対面での研修や現地訪問は大きな制約を受けました。そのため、学習資料の配布、電話やテキストでの技術支援、限られた範囲での現地対応によって活動を継続しました。
計画通りに実施できなかった活動もありましたが、環境再生活動として17,000本の果実・野菜・茸類の配布・植栽を進め、最終評価調査も完了しました。困難な状況の中でも、できる方法を選びながら活動を続けたことが、この時期の大きな特徴です。

活動写真
現地での研修、苗木管理、家庭菜園、デモファーム、地域組織づくりなど、トヨタ環境助成プロジェクトの多面的な活動を写真で紹介します。




報告期間別ページ
トヨタ環境助成プロジェクトの詳しい内容は、報告期間ごとのページとして整理しています。事業開始からコロナ禍での継続、最終評価までの流れを順番にご覧いただけます。
事業開始・農家調査・初期植栽
タナワンでの事業開始、農家調査、近隣植樹グループ形成、35のデモファーム、16,000本の植栽を紹介します。
植栽拡大・デモファーム・地域組織強化
24,500本の植栽、65の追加デモファーム、組織管理研修、気候変動セミナー、現地視察を紹介します。
組織強化・マーケティング準備・活動継続
地域組織の強化、農産物マーケティング準備、デモファーム拡大、植栽と技術支援の継続を紹介します。
コロナ禍での継続・最終評価
移動制限下での17,000本の配布・植栽、学習資料配布、電話支援、最終評価調査を紹介します。
HHHJapanとしての意義
このプロジェクトは、台風被害を受けた農家の復興支援であると同時に、気候変動に強い農村づくり、地域組織の育成、農家同士の学び合いを進める取り組みでした。
HHHJapanは、教育、地域支援、環境活動、国際協力を通じて、人と地域と自然が支え合う社会づくりを目指しています。トヨタ環境助成プロジェクトで得られた経験は、今後のアグロフォレストリー活動や国際協力にもつながる大切な実績です。
関連ページ
アグロフォレストリー活動全体の概要や、ほかの助成事業についても以下のページからご覧いただけます。