2019年7〜12月の位置づけ
2019年後半は、事業開始期に形成された農家グループやデモファームを土台に、植栽規模を拡大し、地域の組織力を高める期間でした。
この期間には、組織管理とコンフリクト管理の研修、農家への現地訪問と技術支援、気候変動に関する教育セミナー、リーダーシップ開発セミナーが行われました。また、Helping Handsと日本側コンサルタントによる現地視察も実施され、事業の進捗確認が行われました。
主な実績
2019年7〜12月には、植栽、研修、現地視察、デモファーム、環境教育の各面で活動が拡大しました。特に、24,500本の植栽と65の追加デモファームは、この期間の大きな成果です。
植栽活動の拡大
2019年後半には、果樹、木材樹、野菜を含む合計24,500本が、300農家によって植えられました。さらに、150人の市民グループメンバーも植樹活動に参加しました。
この植栽は、台風被害を受けた農地の環境回復と、農家の生活再建の両方につながる活動です。木や果樹は長期的な収入源となり、野菜は短期的な食料確保と生活改善につながります。

65の追加デモファーム
この期間には、アグロフォレストリーを農家から農家へ広げるため、65の追加デモファームが設立されました。
デモファームは、周辺農家が実際の農地を見て学ぶ場所です。研修で学んだ内容を、実際の農地で確認できるため、アグロフォレストリーの考え方を地域の中へ広げるために大きな役割を果たしました。

組織管理とコンフリクト管理研修
2019年後半には、3つの村落組織を対象に、組織管理とコンフリクト管理に関する2セットの研修が実施されました。
アグロフォレストリー活動を地域で継続するためには、苗木や農地だけでなく、農家同士が協力し、意見の違いを調整し、組織として活動を続ける力が必要です。組織管理研修は、地域の植樹グループや農家組織が将来も自立して活動していくための基礎となりました。
組織管理
地域の農家グループが自分たちで活動を計画し、役割を分担できるようにするための研修です。
コンフリクト管理
農地、作業分担、販売、意思決定などで生じる意見の違いを調整する力を育てました。
継続のための基盤
外部支援に依存せず、地域の中で活動を続けるための組織力を高めました。
農家への技術支援と現地訪問
3名のWAND専門家と、地域からの2名のオンコールスタッフが、参加農家を訪問し、現地での助言や技術支援を行いました。
農家が実際に作物や樹木を育てる中では、植え方、管理、水や土壌の状態、病害虫、作物の組み合わせなど、現場ごとの課題が出てきます。現地訪問による支援は、研修で学んだ内容を実践に結びつけるために重要でした。

Helping Handsと日本側コンサルタントによる現地視察
2019年後半には、Helping Handsと日本側コンサルタントによる現地視察も実施されました。視察では、苗畑、デモファーム、農家の活動、地域組織の状況などを確認しました。
現地での進捗を直接確認することで、活動の成果だけでなく、次年度に向けた課題や改善点を把握することができました。

気候変動セミナーとリーダーシップ開発
この期間には、村レベルで3回の気候変動セミナーが実施され、275人が参加しました。また、地域リーダーシップ開発に関する3回のセミナーも行われ、300人の農家が参加しました。
気候変動への適応は、農家にとって単なる知識ではなく、これからの農業を守るための実践的な課題です。さらに、地域の中で活動を続けるには、農家自身がリーダーシップを持ち、グループとして行動できることが重要です。

農産物マーケティングへの準備
2019年後半には、農産物のマーケティングに関するオリエンテーションも行われました。ただし、この段階ではまだ本格的な販売セミナーを行うには早いと判断され、主要なマーケティング研修は次年度以降に進める方針となりました。
この判断は、農家がまず作物を育て、デモファームや組織活動を安定させたうえで、販売や市場開拓へ進むという段階的な考え方に基づいています。
2019年後半の活動の流れ
この半年間は、植栽の拡大と地域組織強化が中心でした。事業は、初期活動から地域で広がる段階へ進みました。
植栽を拡大する
24,500本の果樹・木材樹・野菜を植え、農家と市民グループが参加しました。
デモファームを増やす
65の追加デモファームを設置し、農民間普及の場を広げました。
組織力を高める
組織管理、コンフリクト管理、リーダーシップ開発の研修を実施しました。
次年度の課題を整理する
調査結果の分析を進め、最終年度に向けた課題と対応策を整理しました。
2019年7〜12月の活動写真
2019年後半は、苗畑、デモファーム、地域組織、現地視察、気候変動セミナーなど、多くの活動が広がった期間でした。



地域からの注目と次年度への展開
この期間、プロジェクトは地域リーダーだけでなく、農業開発や環境分野の政府機関からも注目されるようになりました。苗畑やデモファームがあるバランガイは地域で知られるようになり、タナワン市長からも認知されました。
一方で、台風ハイヤンによって被害を受けた農地の復旧は、まだ十分に進んでいない状況でした。そのため、2020年には、地域組織の強化、農産物マーケティングの準備、デモファームの拡大、植栽と技術支援の継続がさらに重要な課題となります。
報告期間別ページ
トヨタ環境助成プロジェクトの流れを、報告期間別に整理しています。2019年7〜12月は、植栽と地域組織づくりが大きく進んだ期間です。
事業開始・農家調査・初期植栽
150農家の調査、35のデモファーム、16,000本の植栽を紹介します。
トヨタ環境助成プロジェクトトップ
事業全体の背景、活動内容、成果をまとめた親ページです。
組織強化・マーケティング準備
地域組織強化、販売準備、デモファーム拡大、活動継続を紹介します。
コロナ禍での継続・最終評価
コロナ禍での活動継続、17,000本の配布・植栽、最終評価を紹介します。
次の報告ページへ
2020年1〜6月には、地域組織の強化、農産物マーケティングの準備、デモファームの拡大、植栽と技術支援の継続へと活動が進んでいきます。
