仕事で日本で暮らすことになった外国人は、生活面でも仕事面でも日本にアジャストしなければなりません。
どちらも欧米とは大きく異なりますが、今回は「仕事面での違い」の中から「日本の職場&ビジネスルール」をピックアップしてみましょう。
職場内のルールはもちろん、ビジネスマナー面でも様々な違いがあります。
この記事では、そんな外国人が知っておくべき「日本の企業の職場&ビジネスルール」について解説していきたいと思います。
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Contents
日本の企業の職場&ビジネスルール
それでは、さっそく日本の企業ならではの職場&ビジネスルールを挙げていきましょう。
①役職者が上の者を敬うだけでなく、入社時期でも上下関係がある
同じ会社内であれば、役職が上の者が下の者に指示を出し、下の者は上の者を敬い、指示に従うには当たり前ですよね。
しかし、日本ではそれ以外にも上下関係が細かく決まっていて、その暗黙のルールを守らないとトラブルに発展する可能性もあるのです。
それは「入社時期の早さ」です。
例えば、以下のような2人の社員がいます。
A:入社5年目の28歳
B:入社3年目の32歳
日本では基本的に「年齢の高い人を敬う文化」があるわけですが、社内ではその文化が通用しません。
AとBでは、Aの方が立場的に上となります。
もちろん、「同じ役職者である」ということが前提となりますが、たとえ年齢が若くても、入社したタイミングが早ければ「先輩(senpai)」となり、立場的に上となります。
そのため、もしも外資系以外の日本の企業で働くことになったならば、役職以外にも「入社のタイミング」もしっかりと把握して、先輩を敬うような言動や行動をする必要があるのです。
②定例ミーティングが多い
この数十年、日本の企業が世界の企業に遅れを取っている要因の1つとなっているのが、古くから続いている社内ルールを時代が変わっても継続していることです。
特に外国人が気になるルールが「定例ミーティングの多さ」です。
日本では、とにかく社内ミーティングが多いです。
月次ミーティングだけでなく、毎週決められた曜日に行うミーティング、そしてイレギュラーなことがあった際に集められる緊急ミーティングなど、実に多くの実ティングが行われます。
また、ミーティングが多いだけでなく、その内容にも疑問を抱くことが多くなります。
・ミーティングの参加人数が無駄に多い
・数人しか発言しない
・薄い内容の議題でも長時間ミーティングを続ける
このように、無駄とも思える時間を過ごさなければならないのが、現代の日本企業なのです。(もちろんすべての企業ではなりませんが、まだまだそうした企業が多い)
③上座や下座といったルールがある
日本のビジネスシーンでは、「座る位置」も意識しなければなりません。
ミーティングだけでなく、車内や会食の座る場所にもルールがあるのです。
ミーティングルームや会食の場では、入り口に近い場所が下座(入社歴の浅い社員が座る)となり、奥の席が上座(役職者や先輩が座る)となります。
車では、運転手の真後ろが上座で、助手席が下座となります。
これらを知らずに適当な場所に座ってしまうと、外国人といえども心象が悪くなるため、しっかりと覚えておきましょう。
④予定時刻ちょうどに行くことがNG
「15時からミーティング」
そのような予定となっていたため15時にミーティングルームに入ると、日本の企業では怒られます。
「え?なんで15時からミーティングで15時に部屋に到着したのに怒られるの?」と意外に感じますよね。
実は日本では、5分前行動や10分前行動が常識となっているため、「予定時刻ちょうど」の時間は、「ほぼ遅刻」を意味するのです。
「15時にミーティングがスタートする」という意味であり、14時50分~55分までには着座し、ミーティングの準備が完了している必要があるわけです。
この暗黙のルールは日本のほとんどの企業で実際に敷かれているため、日本の企業で働く際には少なくとも「5分前」には到着しておくようにしましょう。
⑤先に帰ることが良くないことというイメージがある
日本の職場では、先に仕事を終えて帰る際に「お先に失礼します」と言ってから退勤します。
昔から日本では「残業をする人=仕事を頑張っている人」と評価されていたのですが、そのイメージが現代にも色濃く残っているのです。
普通に考えれば、合理的に仕事をこなし早く退社することができる社員の方が優秀であるはずなのですが、日本では逆に捉えられる可能性があるわけです。
「お先に失礼します」と言わずに「お疲れ様です」と言って平然と退社すると、心象が悪くなる可能性があるので注意が必要です。
まとめ
今回は、外国人が知っておくべき「日本の企業の職場&ビジネスルール」について解説してきました。
国が違えば職場のルールやビジネスマナーも大きく変わります。
特に日本では、欧米と大きく異なる部分が多いので、事前にある程度そうしたルールを知っておくと良いかもしれません。