2017年 2年目の活動報告|植栽拡大・デモファーム・家畜導入

2017 Second Year Report

2017年 2年目の活動報告

2017年は、2016年に始まった農家支援をさらに広げ、苗木の追加植栽、家庭菜園の普及、子ヤギ・子豚の分配、デモファームの拡大、生産者団体づくりを進めた年です。

1年目に始まったアグロフォレストリー転換の取り組みを、より多くの農家へ広げ、地域の中で学び合い、継続できる仕組みをつくることが、この年の大きな目的でした。

2017年の地球環境基金助成事業で準備された苗木と事業看板

2017年の位置づけ

2017年は、地球環境基金助成事業の2年目として、1年目の活動を土台にしながら、アグロフォレストリーの実践を地域へ広げる年度でした。苗木や作物の追加植栽に加えて、家庭菜園、家畜導入、デモファームの拡大、生産者団体の育成が進められました。

農家が自分たちの農地で作物や樹木を育てるだけでなく、周辺農家へ知識や経験を広げること、そして地域の中で販売や継続的な管理を行う体制を作ることが重視されました。

年度2017年
主な内容植栽拡大、家庭菜園、家畜導入、デモファーム拡大
対象地域レイテ州アルブエラ市周辺農村地域
次年度への役割WACCAへの引き継ぎと地域での継続へ

主な実績

2017年には、アグロフォレストリーの実践が大きく広がりました。追加植栽、家庭菜園、家畜導入、デモファームの拡大により、農家の生活基盤の多様化と地域での普及が進みました。

14,300本果樹、竹、ココナッツ、材木、バナナを含む追加植栽
220世帯平均300平方メートルの家庭菜園で野菜を栽培した農家
23頭分配された子ヤギ
42頭分配された子豚
67農家2年目に新たにデモファームとして指定された農家
112農家1年目と2年目を合わせたデモファームの総数
3回生産者団体の経営とリーダーシップ強化のためのワークショップ
約45%農民間普及によってアグロフォレストリー転換を果たした農家

苗木の追加植栽

2017年には、アルブエラ市の事業対象地域において、果樹、竹、ココナッツ、材木、バナナを含む合計14,300本の苗木が追加で植えられました。

1年目に植えたバナナや根菜作物から、すでに植え付け材を得ることができるようになったため、農家自身が次の栽培につなげていく流れも生まれました。

これは、外部からの支援だけに頼るのではなく、地域の中で作物や苗木を増やしていくための重要な変化でした。

2017年の活動で管理された苗木と苗畑の様子

家庭菜園と食料自給の向上

2017年には、計220世帯の農家が、平均300平方メートルの家庭菜園で、オクラ、豆、トマト、ナス、かぼちゃなどの野菜を栽培しました。

家庭菜園は、農家の食料自給力を高めるだけでなく、日々の食費を減らし、余剰分を販売できる可能性を広げる取り組みです。

アグロフォレストリーは、長期的に果樹や木材樹木を育てるだけでなく、短期的に生活を支える作物づくりも重視しています。

家庭菜園で育てられた野菜と作物の様子

子ヤギ・子豚の分配と循環型農業

2017年には、WAND職員による働きかけと地元パートナーの支援により、23頭の子ヤギと42頭の子豚が、計40世帯の農家に分配されました。

家畜の導入は、農家の収入源を増やすだけでなく、家畜の排泄物を有機肥料として活用する循環型農業の基礎にもなります。

作物、樹木、家畜を組み合わせることで、農家の資源利用を高め、より持続可能な農業システムを作ることを目指しました。

農地での作物や家畜導入に関連する現地活動の様子

デモファームの拡大

2017年には、67の農家が新たにアグロフォレストリー転換のデモファームとして指定されました。これにより、1年目と合わせてデモファームの総数は112となりました。

デモファームは、近隣の農家が実際の取り組みを見て学ぶ場所です。農家自身が経験を共有し、周辺農家にアグロフォレストリー転換を広げることで、農民間普及の仕組みが強化されました。

ココナッツやバナナが見えるデモファームの農地風景
デモファームの農地風景
地球環境基金助成事業の看板と植栽地
植栽地と事業看板
苗木圃場と植栽準備の様子
苗木圃場と植栽準備

生産者団体づくり

2年目には、「気候変動と飢餓に対する女性の行動」と名付けられた生産者団体が組織されました。この団体は、農家が自分たちで活動を継続し、農産物の販売や地域の資本づくりに取り組むための基盤となりました。

団体の経営とリーダーシップ能力を高めるために、3つのワークショップも実施されました。また、メンバー農家の農産物をまとめて販売できるよう、アルブエラ市営市場のスペースも確認されました。

この流れは、翌年のWACCAへの引き継ぎと、地域主体での活動継続につながっていきます。

作付け図を使って地域で説明を行う様子

2017年の活動の流れ

2017年の活動は、1年目の基礎づくりから一歩進み、地域の中で実践を広げ、継続の仕組みを作る段階へ進みました。

1

追加植栽を実施

果樹、竹、ココナッツ、材木、バナナを含む苗木を追加で植栽しました。

2

家庭菜園を広げる

220世帯の農家が野菜を栽培し、自家消費と生活改善につながる取り組みを進めました。

3

家畜を導入する

子ヤギと子豚を分配し、循環型農業の基礎づくりを行いました。

4

地域組織を育てる

生産者団体の組織化とワークショップを通じて、地域で活動を継続する準備を進めました。

2017年の活動写真

2年目は、植栽の拡大、家庭菜園、苗木管理、デモファーム、地域での説明や組織づくりなど、多面的な活動が進みました。

苗畑で管理される苗木
苗木管理と植栽準備
家庭菜園で育った野菜
家庭菜園と野菜栽培
地域で作付け計画を説明する様子
地域での説明と計画共有

2017年の成果と次年度への展開

2017年の活動によって、アグロフォレストリーは個々の農家の取り組みから、地域全体に広がる段階へ進みました。植栽数の拡大、家庭菜園、家畜導入、デモファームの増加、生産者団体づくりによって、農家の生活再建と農村環境の回復に向けた土台がさらに強化されました。

一方で、農産物の販売体制づくりや、地域組織による継続的な運営は、さらに時間をかけて育てていく必要がありました。そのため、次年度には、地域の生産者団体WACCAへの引き継ぎと、地域主体での活動継続が重要なテーマとなりました。

年度別報告ページ

地球環境基金助成事業の流れを、年度別に整理しています。2017年の活動は、植栽と農家支援を広げ、地域組織への引き継ぎにつながる重要な年でした。

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2018年には、2年目までに育ててきた活動を地域の生産者団体WACCAへ引き継ぎ、農家自身が地域の中で継続していく段階へ進みます。