2020年1〜6月 活動報告|組織強化・マーケティング準備・アグロフォレストリー継続

2020 Jan-Jun Report

2020年1〜6月 活動報告

2020年1〜6月は、2019年に広がった植栽活動とデモファームを土台に、地域組織の強化、農産物マーケティングの準備、植栽と技術支援の継続を進める予定だった期間です。

この時期は、地域の農家組織がより主体的に活動を続けられるようにするための重要な段階でした。一方で、2020年前半から新型コロナウイルス感染症の影響が広がり、対面での研修や移動を前提とした活動には徐々に制約が生じ始めました。

トヨタ環境助成プロジェクトで管理された苗畑とアグロフォレストリー活動の様子

2020年1〜6月の位置づけ

2019年には、事業開始、農家調査、初期植栽、デモファーム形成、植栽拡大、地域組織強化が進みました。2020年1〜6月は、それらの活動をさらに発展させ、地域組織が農産物の販売や活動管理を担えるように準備する期間でした。

報告書では、この期間の計画として、植樹を担当する地元村民組織の強化、15,000本規模の木・野菜・果物・茸類の植栽継続、農家間普及のための技術支援、気候変動対策セミナー、農産物販売とマーケティング、農家組織のエンパワーメント、正式な管理組織の設立、90世帯規模へのデモファーム拡大が挙げられています。

報告期間2020年1月〜6月
主なテーマ組織強化、販売準備、技術支援、活動継続
対象地域フィリピン・レイテ州タナワン周辺
次の段階コロナ禍での継続支援と最終評価へ

この期間に重視された活動

2020年1〜6月は、単に苗木を植えるだけでなく、農家組織が活動を管理し、農産物の販売につなげ、デモファームを通じて周辺農家へ学びを広げていくことが重視されました。

15,000本木・野菜・果物・茸類の植栽継続として計画された規模
300人気候変動対策・農産物販売・組織強化セミナーの対象者
90世帯デモファーム拡大の目標として示された参加農家数
1組織農産物販売を担う正式な管理組織の設立計画

地域組織の強化

2020年前半の重要なテーマの一つは、植樹や農地管理を担う地元村民組織を強化することでした。2019年には近隣植樹グループや村落組織が形成され、組織管理やリーダーシップ開発も進みました。

2020年には、これらの組織が外部支援だけに頼らず、自分たちで活動を計画し、農産物の販売やデモファームの管理にも関われるようにすることが求められました。

トヨタ環境助成プロジェクトで行われた地域組織強化と農家向け説明会

農産物マーケティングへの準備

2019年後半には、農産物マーケティングに関するオリエンテーションが行われましたが、本格的な販売セミナーはまだ早いと判断されていました。2020年前半は、農産物を育てる段階から、販売や市場との接続を考える段階へ進むための準備期間でした。

農家が野菜、果樹、茸類などを育てても、それを安定した収入につなげるためには、販売先、集荷方法、品質管理、組織としての役割分担が必要です。そのため、正式な管理組織の設立とマーケティング準備が重要な課題となりました。

トヨタ環境助成プロジェクトで栽培された家庭菜園と農産物

デモファームの拡大計画

デモファームは、アグロフォレストリーを農家から農家へ広げるための重要な仕組みです。2019年には、初期の35件のデモファームに加え、65件の追加デモファームが設立されました。

2020年前半には、デモファームを事業参加者全体の30%、約90世帯規模まで広げることが計画されていました。デモファームが増えることで、周辺農家が実際の農地を見ながら学ぶ機会も増えます。

トヨタ環境助成プロジェクトで育てられたココナッツ苗とデモファーム拡大に向けた準備

植栽と技術支援の継続

2020年前半には、木、野菜、果物、茸類の植栽継続が計画されていました。2019年までに作られた苗畑やデモファームを活かし、農家が引き続き作物や樹木を育てられるよう、技術支援を続けることが重要でした。

また、農家間普及のためのワークショップや技術支援も計画されていました。農家が自分の農地で経験したことを、周辺農家へ伝えることで、アグロフォレストリーの実践が地域の中で広がります。

トヨタ環境助成プロジェクトで管理された苗畑
苗畑の管理
トヨタ環境助成プロジェクトで育てられた野菜と作物
野菜・作物の栽培
トヨタ環境助成プロジェクトで育てられたココナッツ苗
ココナッツ苗の育成

家庭菜園と農家の生活改善

アグロフォレストリーは、長期的に木や果樹を育てるだけでなく、短期的に農家の食生活を支える野菜や作物づくりも含みます。

家庭菜園で育てられる野菜や果物は、農家の自家消費を支え、食費の削減や余剰分の販売にもつながります。2020年前半の活動では、こうした生活に近い農業の継続も大切な要素でした。

トヨタ環境助成プロジェクトで育てられた野菜と家庭菜園の様子

家畜と循環型農業の可能性

農家の生活基盤を多様化するためには、作物や樹木だけでなく、家畜を組み合わせることも有効です。小規模な家畜飼育は、収入源の多様化に加え、有機肥料として農地に還元できる資源にもなります。

トヨタ環境助成プロジェクトでは、作物、苗木、家庭菜園、地域組織に加えて、農家が限られた資源を循環的に活用する農業の可能性も重視しました。

トヨタ環境助成プロジェクトで導入された子豚と循環型農業の取り組み

コロナ禍による活動制限

2020年前半から、世界的に新型コロナウイルス感染症の影響が広がり、フィリピンでも移動や集会に制約が出始めました。農家を集めた研修や現地での訪問支援は、これまでのように進めることが難しくなっていきました。

そのため、2020年後半以降は、対面研修の代わりに、学習資料の配布、電話やテキストによる技術支援、限られた範囲での現地対応が重要になります。

トヨタ環境助成プロジェクトで確認された農地の土壌と有機肥料の活用

2020年1〜6月の活動の流れ

この期間は、地域組織とデモファームをさらに発展させる一方で、コロナ禍への対応を考え始める転換期でもありました。

1

地域組織を強化する

植樹や農地管理を担う村民組織が、自分たちで活動を続けられるように準備しました。

2

販売と管理体制を考える

農産物を販売するための正式な管理組織づくりとマーケティング準備が課題となりました。

3

デモファームを拡大する

農家間普及をさらに進めるため、デモファーム拡大が計画されました。

4

コロナ禍での継続方法を探る

移動や集会の制限が出始める中で、活動を止めずに続ける方法を考える段階へ進みました。

2020年1〜6月の活動写真

この時期の写真では、苗畑、家庭菜園、ココナッツ苗、家畜、有機肥料など、農家の生活に近いアグロフォレストリー活動の広がりを見ることができます。

トヨタ環境助成プロジェクトで栽培された家庭菜園と作物
家庭菜園と作物栽培
トヨタ環境助成プロジェクトで導入された子豚
家畜と生活基盤の多様化
トヨタ環境助成プロジェクトで見られた小規模家畜と農家の暮らし
小規模家畜と農家の暮らし

2020年後半への展開

2020年前半に予定されていた組織強化、販売準備、技術支援、植栽継続の流れは、2020年後半以降、コロナ禍による制約の中で形を変えて進められることになります。

対面での研修や現地訪問が難しくなる中、学習資料の配布、電話やテキストによる技術支援、限られた範囲での活動継続、最終評価調査へと移行していきました。

報告期間別ページ

トヨタ環境助成プロジェクトの流れを、報告期間別に整理しています。2020年1〜6月は、組織強化とマーケティング準備を進めながら、コロナ禍への対応が必要になり始めた期間です。

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2020年後半から2021年にかけては、コロナ禍による制限の中で、学習資料の配布、電話やテキストによる技術支援、17,000本の配布・植栽、最終評価調査へと活動が進みます。