2020年後半〜2021年 完了報告|コロナ禍での活動継続と最終評価

2020 Final Report

2020年後半〜2021年 完了報告

2020年後半から2021年にかけて、トヨタ環境助成プロジェクトはコロナ禍による移動制限や集会制限を受けながらも、学習資料の配布、電話やテキストによる技術支援、果実・野菜・茸類の配布と植栽、最終評価調査を進めました。

この期間は、予定していた対面研修や現地訪問が難しくなる中で、活動を止めずに継続する方法を模索した最終段階です。これまでの農家調査、植栽、デモファーム、地域組織強化の成果を確認し、今後の地域主体の継続につなげることが重要なテーマとなりました。

トヨタ環境助成プロジェクトによるフィリピン・レイテ州タナワンのアグロフォレストリー活動

完了報告の位置づけ

トヨタ環境助成プロジェクトは、2019年にタナワン周辺で始まり、農家調査、近隣植樹グループの形成、デモファーム、苗木や野菜の植栽、気候変動セミナー、村落組織強化へと進んできました。

2020年後半から2021年にかけては、コロナ禍によって活動方法を大きく変える必要がありました。集会や移動が制限される中でも、学習資料を配布し、電話やテキストで農家を支援し、可能な範囲で植栽と最終評価を進めました。

報告期間2020年後半〜2021年
主な内容コロナ禍での活動継続、資料配布、遠隔支援、最終評価
対象地域フィリピン・レイテ州タナワン周辺
位置づけトヨタ環境助成プロジェクトの完了報告

主な実績

この最終段階では、対面活動に制限がある中でも、農家への支援と環境再生活動が継続されました。学習資料や遠隔支援を活用しながら、植栽、技術支援、評価調査を実施しました。

17,000本果実・野菜・茸類として配布・植栽された本数
300ha環境再生活動の対象地域
学習資料対面研修の代わりに農家へ配布された教材
電話・SMS移動制限下で行われた技術支援の方法
最終評価社会経済・環境面の変化を確認する調査
地域継続農家と地域組織による活動継続への移行
非対面支援コロナ禍でも活動を止めないための対応
完了報告事業全体の成果と課題の整理

コロナ禍による制約

2020年後半以降、コロナ禍の影響により、農家を集めた対面研修、現地での大規模な会合、移動を伴う訪問支援は難しくなりました。これまでのように、農家が一か所に集まって学ぶ形式を続けることが困難になったのです。

そのため、プロジェクトは活動内容を見直し、農家が自宅や農地で学べる資料を配布し、電話やテキストで相談に応じる形へと切り替えました。これは、感染拡大防止と活動継続を両立するための現実的な対応でした。

トヨタ環境助成プロジェクトで使われた学習資料と地域での活動継続の様子

学習資料と遠隔支援

対面研修が難しい状況では、農家が自分たちで読み、実践できる学習資料の役割が大きくなりました。資料を通じて、苗木の管理、作物の育て方、アグロフォレストリーの考え方、気候変動への適応について学べるようにしました。

また、電話やテキストによる技術支援も行われました。農家が農地で困ったとき、現地スタッフや専門家に相談できるようにすることで、限られた状況の中でも実践を続けられるよう支援しました。

トヨタ環境助成プロジェクトで農家へ配布される苗木と資材の輸送

17,000本の配布・植栽

コロナ禍によって活動が制限される中でも、果実、野菜、茸類を含む17,000本の配布と植栽が進められました。これは、農家の食料確保、収入源の多様化、農地の環境回復につながる重要な活動です。

植栽活動は、単なる数量の実績ではありません。農家が自分の農地で作物を育て続けることで、家庭菜園やデモファームの実践が地域の中に残り、長期的なアグロフォレストリーの基礎になります。

トヨタ環境助成事業で整備された苗畑とデモファーム

家庭菜園と農家の生活支援

アグロフォレストリーでは、木や果樹のように長期的に育てるものだけでなく、野菜や茸類のように比較的短期間で利用できる作物も大切です。コロナ禍で生活が不安定になる中、家庭菜園は農家の食料確保と生活支援の意味を持ちました。

自家消費できる作物を育てることは、食費の削減につながります。また、余った作物を販売できれば、小さな収入源にもなります。こうした日々の暮らしに近い取り組みが、地域の農家にとって重要でした。

トヨタ環境助成プロジェクトで栽培された野菜と家庭菜園の様子
家庭菜園と野菜栽培
トヨタ環境助成プロジェクトで栽培された家庭菜園と作物
農家の生活を支える作物
トヨタ環境助成プロジェクトで育てられた野菜と作物
野菜と作物の成長

家畜と循環型農業

農家の生活基盤を多様化するためには、野菜や果樹だけでなく、家畜を組み合わせることも有効です。小規模な家畜飼育は、収入源の一つになるだけでなく、有機肥料を生み出し、農地へ戻す循環型農業にもつながります。

限られた資源を地域の中で活かし、作物、家畜、土壌をつなげる考え方は、アグロフォレストリーをより持続可能なものにします。

トヨタ環境助成プロジェクトで導入された子豚と循環型農業の取り組み

最終評価調査

事業の完了にあたって、社会経済面と環境面の変化を確認する最終評価調査が行われました。これは、植栽本数や参加人数だけでなく、農家の暮らし、農地の変化、地域組織の成長、気候変動への理解がどのように進んだかを確認するための重要な作業です。

最終評価によって、事業で達成できたこと、十分に進められなかったこと、今後の地域活動に引き継ぐべき課題が整理されました。

トヨタ環境助成プロジェクトの現地評価と活動確認の様子

達成できたこと

このプロジェクトでは、タナワン周辺でアグロフォレストリーへの関心を高め、農家調査、植栽、デモファーム、気候変動教育、組織強化を段階的に進めることができました。

農家の参加と学び

農家が気候変動への適応やアグロフォレストリーの考え方を学び、自分の農地で実践するきっかけを作りました。

環境再生活動の継続

木、野菜、果樹、茸類の植栽を通じて、台風被害を受けた農地の回復に向けた活動を進めました。

地域組織の基盤づくり

近隣植樹グループやデモファームを通じて、農家同士が学び合い、地域で続ける仕組みを育てました。

難しかったことと今後の課題

最大の課題は、コロナ禍によって予定していた対面研修、現地訪問、集会、マーケティング活動が大きく制限されたことです。特に、農産物販売や地域組織の継続的な運営は、実際に集まり、話し合い、協力する場が必要なため、進行に制約がありました。

今後は、農家が植えた作物や樹木を継続して管理すること、農産物を販売につなげること、地域組織が自立して活動を続けることが重要になります。アグロフォレストリーは短期間で完了する活動ではなく、地域の中で時間をかけて育てていく取り組みです。

完了報告のまとめ

トヨタ環境助成プロジェクトは、台風被害を受けた農村地域で、ココナッツ農家のアグロフォレストリー転換を通じた気候変動対策を目指した取り組みでした。

2019年には事業が大きく進み、2020年にはコロナ禍という困難に直面しました。それでも、学習資料の配布、遠隔支援、17,000本の配布・植栽、最終評価調査を通じて、活動を継続し、成果と課題を整理することができました。

HHHJapanは、この経験を今後のアグロフォレストリー活動、環境教育、国際協力へとつなげていきます。

報告期間別ページ

トヨタ環境助成プロジェクトの流れを、報告期間別に整理しています。このページは、コロナ禍での活動継続と完了報告をまとめたページです。

トヨタ環境助成プロジェクトトップへ

トヨタ環境助成プロジェクト全体の背景、活動内容、主な成果は、親ページにまとめています。