2021 Final Report
2021年10月〜2022年3月 完了報告
2021年10月〜2022年3月は、三井物産環境基金助成事業の最終段階です。植樹、野菜栽培、養鶏、野菜販売、最終成果の整理を通じて、地域内資源循環と気候変動適応能力の強化をまとめました。
コロナ禍で当初計画の一部は変更されましたが、農家の暮らしに近い活動を継続し、苗木配布、野菜種子配布、デモファーム、養鶏、国内ユース活動へと展開しました。このページでは、事業全体の成果と今後の課題を整理します。

完了報告の位置づけ
三井物産環境基金助成事業は、2020年4月から2022年3月まで、フィリピン・レイテ州パロ市周辺で実施されました。事業の正式名称は、「巨大台風被災地域におけるアグロフォレストリーと植林に依拠した地域内資源循環系と気候変動適応能力の強化」です。
この最終期間では、これまでに進めてきた農家調査、苗木配布、デモファーム、野菜栽培、少人数研修、国内ユース活動を踏まえ、植樹、養鶏、野菜販売、最終成果の整理を行いました。
事業全体の主な成果
本事業では、コロナ禍による制約を受けながらも、農家参加、苗木配布、種子配布、デモファーム、養鶏、野菜販売、国内ユース活動など、多くの取り組みを実施しました。
植樹と苗木配布の最終成果
事業全体では、高付加価値広葉樹、果樹、竹などを含む合計32,500本の苗木が配布されました。これらの苗木は、農地の環境回復、農家の将来的な収入源、気候変動に強い農村づくりにつながる重要な基盤です。
植樹は短期間で成果が見える活動ではありません。苗木が育ち、農地の環境を改善し、農家の暮らしを支えるまでには時間がかかります。そのため、この事業の成果は、助成期間の終了後も地域の中で育て続ける必要があります。

野菜栽培と販売の広がり
2021年後半には、参加農家による野菜栽培と販売が進みました。白菜、インゲン、オクラ、ナス、ゴーヤなどの野菜が栽培され、道路沿いや販売者の家の近くに展示して販売する形が取られました。
野菜販売は、農家の食料確保だけでなく、現金収入にもつながる活動です。地域住民の需要もあり、1週間に約230人の村人が野菜を購入していたと整理されています。これは、アグロフォレストリーが環境回復だけでなく、日々の暮らしにも役立つことを示す成果です。

養鶏と地域内資源循環
当初は鶏と豚の飼育が計画されていましたが、豚コレラの影響により子豚配布は中止され、鶏雛の配布へ変更されました。最終的には、80名の農家に400羽の鶏雛が配布されました。
養鶏は、農家の収入源を増やすだけでなく、家畜の排泄物を有機肥料として農地に戻すことで、地域内資源循環にもつながります。作物、樹木、家畜を組み合わせることで、農家の暮らしを支える仕組みを多面的に育てることができます。



デモファームと農民間普及
本事業では、33農家がデモファームとして同定されました。デモファームは、周辺農家が実際の農地を見て学び、農家から農家へアグロフォレストリーの実践を広げるための拠点です。
農家自身が実践し、その経験を近隣農家へ伝えることで、外部支援に頼りすぎない地域内の普及が期待できます。助成期間後も、デモファームが地域の学びの場として機能し続けることが重要です。

国内ユース活動と環境教育
コロナ禍により、当初予定していた現地スタディーツアーは実施できませんでした。その代わりに、日本国内でオンラインワークショップ、インターン活動、環境教育の発信活動を行いました。
若者がフィリピンの台風被害、気候変動、アグロフォレストリー、SDGs、国際協力について学び、自分たちの言葉で発信することは、将来の環境活動につながる大切な取り組みです。

コロナ禍で変更された活動
本事業は、助成期間の多くがコロナ禍と重なりました。そのため、現地スタディーツアー、通常の対面研修、自助グループの組織化、マイクロクレジット、雨水ハーベスター設置など、当初計画の一部は中止または変更を余儀なくされました。
しかし、活動を止めるのではなく、紙教材の配布、電話やテキストによる支援、Zoom研修、少人数対面研修、国内オンラインワークショップへと方法を変えながら、できる活動を継続しました。
中止・変更された活動
現地スタディーツアー、雨水ハーベスター設置、自助グループ育成などは、コロナ禍により十分に実施できませんでした。
代替した活動
紙教材、電話・テキスト、少人数研修、オンラインワークショップなどへ方法を切り替えました。
継続できた活動
苗木配布、野菜栽培、養鶏支援、ユース環境教育などは、形を変えながら進めました。
2021年10月〜2022年3月の活動写真
最終期間の写真では、野菜栽培、養鶏、苗木管理、農地の確認、国内ユース活動など、事業の成果につながる多面的な活動を見ることができます。



事業全体の成果と意義
三井物産環境基金助成事業は、巨大台風被災地域で、アグロフォレストリー、植林、野菜栽培、養鶏、農民間普及、ユース環境教育を組み合わせた事業でした。
372世帯の農家が参加し、32,500本の苗木、3,350袋の種子、33農家のデモファーム、400羽の鶏雛、野菜販売、国内ユース活動など、多くの成果が生まれました。コロナ禍で困難はありましたが、地域の実情に合わせて活動を変えながら継続したことが、この事業の大きな特徴です。
今後の課題
アグロフォレストリーは、助成期間が終わってすぐに完成するものではありません。苗木が育ち、農家の収入源となり、地域の環境を回復していくには、長い時間が必要です。
今後は、配布された苗木の継続管理、野菜販売の安定化、養鶏の継続、デモファームを通じた農民間普及、地域組織の自立、若者への環境教育の継続が重要になります。
期間別報告ページ
三井物産環境基金助成事業の流れを、期間別に整理しています。このページは、事業全体の最終成果をまとめた完了報告ページです。
事業開始・農家調査・苗木配布
農家調査、デモファーム同定、13,000本の苗木・種子配布を紹介します。
コロナ禍での苗木配布・国内ワークショップ
紙教材による研修、12,000本の苗木配布、国内ワークショップを紹介します。
研修方式の転換・野菜種子配布
少人数対面研修、野菜種子、有機肥料配布、ユース活動を紹介します。
三井物産環境基金助成事業トップ
事業全体の背景、活動内容、成果をまとめた親ページです。
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