Mitsui Environment Fund Project
三井物産環境基金助成事業
フィリピン・レイテ州パロ市周辺で、アグロフォレストリー、植林、野菜栽培、養鶏、農民間普及、ユース向け環境教育を通じて、地域内資源循環と気候変動適応能力の強化に取り組んだ事業です。
HHHJapanは、三井物産環境基金の助成を受け、現地実施団体であるWAND Foundation、ヴィサヤ州立大学ECO-FARMI、地域農家、専門家と連携しながら、巨大台風被災地域における農村環境の回復と暮らしの再建を目指しました。

事業概要
本事業の正式名称は、「巨大台風被災地域におけるアグロフォレストリーと植林に依拠した地域内資源循環系と気候変動適応能力の強化」です。台風被害を受けた農村地域で、農家の暮らしと地域環境を同時に立て直すことを目的として実施されました。
活動では、ココナツ農家の調査、苗木・種子の配布、デモファームの育成、野菜栽培、養鶏、農民間普及、国内ユース向けの環境教育を組み合わせ、地域の中で続く資源循環の仕組みづくりを目指しました。
事業の背景
レイテ州では、巨大台風によって農村地域の農地、樹木、生活基盤が大きな被害を受けました。ココナツに依存する農家にとって、樹木の喪失は長期的な収入源の喪失を意味します。
このような地域では、単に一つの作物を植え直すだけでは十分ではありません。複数の樹木、野菜、家畜、有機肥料、地域組織を組み合わせ、災害や気候変動に強い農村づくりを進める必要がありました。
三井物産環境基金助成事業は、アグロフォレストリーと植林を軸に、地域の資源を循環させながら農家の暮らしを支えることを目指しました。

事業の目的
この事業では、被災地域の農家が将来の災害や気候変動に備えられるよう、農業、植林、家畜、地域組織、環境教育を組み合わせて進めました。

農家調査と参加農家の把握
パロ市周辺の農家を対象に、台風被害、生活状況、農地条件を確認し、事業参加農家を把握しました。

アグロフォレストリーと植林
高付加価値広葉樹、果樹、竹、野菜、根菜類を組み合わせ、農家の収入源と地域環境の回復を目指しました。

養鶏と資源循環
鶏雛の配布を通じて、農家の収入源を多様化し、家畜と農地をつなぐ循環型農業を支援しました。

ユース向け環境教育
現地スタディーツアーは中止となりましたが、国内オンラインワークショップやインターン活動へ形を変えて実施しました。
活動の流れ
事業は、2020年4月から2022年3月までの2年間にわたり、コロナ禍による制約を受けながらも、調査、配布、研修、野菜販売、養鶏、国内ユース活動へと進みました。
4〜9月:事業開始・農家調査・苗木配布
パロ市周辺で事業を開始し、農家調査、デモファーム同定、苗木・種子配布、アグロフォレストリー転換に向けた準備を進めました。
10月〜2021年3月:コロナ禍での苗木配布・国内ワークショップ
移動制限や集会制限を受けながら、紙教材による研修、苗木配布、電話やテキストによる評価、国内ユース向けオンラインワークショップを行いました。
4〜9月:研修方式の転換・野菜種子配布
Zoom研修の課題を受け、少人数対面研修へ切り替えました。野菜種子と有機肥料の配布も進みました。
10月〜2022年3月:植樹・養鶏・野菜販売・最終報告
野菜栽培、養鶏、果樹・材木苗木の配布、野菜販売、最終成果の整理へと進みました。
主な活動内容
三井物産環境基金助成事業では、農家の暮らしに近い実践と、長期的な環境回復につながる取り組みを組み合わせました。

農家研修
当初はZoom研修を試みましたが、参加が伸び悩んだため、少人数対面研修へ切り替えました。

苗木・種子配布
高付加価値広葉樹、果樹、竹、野菜・根菜類の種子を配布し、農家の農地転換を支援しました。

野菜栽培と販売
野菜栽培を通じて、農家の食料確保と販売収入の可能性を広げました。

養鶏支援
豚コレラの影響で子豚配布は中止となりましたが、鶏雛の配布に変更して農家の生活基盤を支援しました。
数字で見る主な成果
コロナ禍による変更や制約を受けながらも、事業全体として農家参加、苗木配布、種子配布、デモファーム、養鶏、野菜販売、ユース活動が進められました。
コロナ禍による変更と対応
この事業では、コロナ禍への対応が大きなテーマとなりました。当初予定していた現地スタディーツアー、対面研修、雨水ハーベスター設置、自助グループ育成、マイクロクレジットの一部は、中止または変更を余儀なくされました。
一方で、活動を止めるのではなく、紙教材の配布、電話やテキストによる連絡、Zoom研修、少人数対面研修、国内オンラインワークショップ、インターン生によるユース活動など、状況に合わせて形を変えながら実施しました。

野菜栽培と地域での販売
2021年後半には、参加農家による野菜栽培と販売が進みました。白菜、インゲン、オクラ、ナス、ゴーヤなどが栽培され、道路沿いや販売者の家の近くに野菜を展示し、注文を受けて販売する形が取られました。
野菜の需要は高く、地域の人々が継続的に購入する流れが生まれました。これは、アグロフォレストリーが長期的な環境回復だけでなく、農家の日々の暮らしにもつながることを示す重要な成果です。

活動写真
三井物産環境基金助成事業では、現地調査、農家への説明、苗木配布、野菜栽培、養鶏、ユース活動など、多面的な取り組みが進められました。




期間別報告ページ
三井物産環境基金助成事業の詳しい内容は、期間別の報告ページとして整理しています。事業開始からコロナ禍での変更、研修方式の転換、最終成果までの流れを順番にご覧いただけます。
事業開始・農家調査・苗木配布
パロ市周辺で事業を開始し、農家調査、デモファーム同定、苗木・種子配布を進めました。
コロナ禍での苗木配布・国内ワークショップ
紙教材による研修、12,000本の苗木配布、電話・テキストによる予備評価、国内ワークショップを紹介します。
研修方式の転換・野菜種子配布・ユース活動
Zoom研修から少人数対面研修へ切り替え、野菜種子と有機肥料の配布、ユース活動を進めました。
植樹・養鶏・野菜販売・最終成果
野菜栽培、養鶏、果樹・材木苗木の配布、野菜販売、事業全体の成果を整理します。
成果と課題
本事業では、372世帯の農家参加、32,500本の苗木配布、野菜・根菜類の種子配布、デモファーム、養鶏、野菜販売、国内ユース活動など、多くの成果が生まれました。
一方で、コロナ禍により、対面研修、自助グループ組織化、マイクロクレジット、雨水ハーベスター設置、現地スタディーツアーなど、当初計画の一部は十分に実施できませんでした。そこで、状況に合わせて活動方法を変更し、少人数対面研修、紙教材、電話やテキスト、オンラインワークショップ、インターン活動へと展開しました。
HHHJapanとしての意義
三井物産環境基金助成事業は、農村地域の環境回復だけでなく、農家の生活、地域組織、若者への環境教育をつなぐ取り組みでした。
HHHJapanは、教育、地域支援、環境活動、国際協力を通じて、人と地域と自然が支え合う社会づくりを目指しています。本事業で得られた経験は、今後のアグロフォレストリー活動、気候変動教育、国際協力へとつながる大切な実績です。
関連ページ
アグロフォレストリー活動全体の概要や、ほかの助成事業についても以下のページからご覧いただけます。