【第16日目】前置詞の種類と使い方

目次

本日のコラム

さて、今日のコラムは、「日本語と英語の大きな違い」、についてです。

”ありがとう”と”Thank You.”

この2つの文を見比べてみましょう。
 

日本語の“ありがとう”には話し手も聞き手も、つまり人間が1人も出てきません。

ありがとうを漢字変換すると、“有難う”です。
 

“あることが難しい”、つまり“なかなかないことだ”と言う意味です。

“人間が1人もいない”日本語の“ありがとう”に対して、英語の“Thank you.”はどうでしょう。

こちらには”You”、つまり聞き手である人が登場します。
その相手に対して”To thank you.”と言う意味の動詞文です。

形容詞が元になっている日本語の“ありがとう”とは大違いです。

これをまとめると、英語は“誰かが何かをする言葉”、日本語は“何らかの状態である言葉”だと言えるかもしれません。

次に”おはよう”と“Good Morning.”を比べてみましょう。
おはよう、には話し手と聞き手がどちらも文に出て来ません。

“こんなに早いんですね”と心を合わせて共感し、同じ気持ちになっているのです。

これに対して英語のGood morning.では、行為の動詞文が元になっています。
 

もともとの表現は、”I wish you good morning.” 話し手が聞き手にとって“この朝が良いものであるように祈る”と言う積極的行為を表現した文が元になっているのです。

2つの文を見てきましたが、これが英語と日本語の大きな違いです。
 
一言で言えば、日本語は共感の言葉、英語は自己主張と対立の言葉、と言うこともできます。
 

日本語には大抵主語が省略されることからも言葉に自己主張が少ないです。

英語と日本語では、文の構造が大きく違うことは言うまでもありませんが、それが人間関係や文化的なものにも影響しているのです。

普段使っている日本語と英語の違いを知ることで、背景となる文化にも興味がわいてきますね。

では、本日の学習テーマの、「前置詞」を使えるように覚えていきましょう。

前置詞
Types and usage of prepositions

前置詞

前置詞とは

前置詞は、単に単語やフレーズの前に置かれる単語やフレーズです。

しかし、前置詞はその後ろに置かれた単語やフレーズを修飾する言葉であり、様々な意味を持たせることができます。

日本語にはない文法なので、難しいところもありますが、すべて基礎からしっかり勉強すれば、だんだん理解できるようになります。

時をあらわす前置詞

at nine 9時(時間)  on Monday月曜日(曜日)

in july 7月(月)  in winter (季節)

for three days 3日(期間) in the morning 朝に(時間帯)

after school 放課後  before dinner 夕食前・・・など

上記のフレーズは基本ですが、他の単語やフレーズと一緒に使う場合は、違う前置詞を使うこともあります。

in July 7月に

on July 4(th) または on the fourth of July など
「7月4日に」という意味です。

例えば、月の場合は月の前に「on」を使いますが、月の前後に日を示す単語がある場合は、今回のように日にちを合わせて「on」を使うのが一般的です。
in the morning
 朝に、午前中に

on Sunday morning on または the morning of Sunday など

この場合も、in the morning や in the evening などと言うのが一般的です。曜日など別の単語が加わる場合は、inの代わりにonを使うのが一般的です。

場所をあらわす前置詞

at the airport 空港で

in the box
箱の中に

on the table
テーブルの上に

by the window
窓のそばに

near the park
公園の近く

under the desk
 机の下に・・・など

その他の前置詞

by bike 自転車で

with him といっしょに 

to her house 彼女の家まで

about this story この物語について

in English 英語

without your help  あなたの助けなしで

during summer vacation 夏休みの間じゅう

along this street この川に沿って

across the river その通りを横切って・・・など

in は「~の中に」「~に」という意味で使われることが多いですが、上記のような形で使われることもあります。

なお、他の前置詞にもいろいろな意味や用法があります。

連語と前置詞

前置詞は、他の単語と組み合わせて、何かを言うための明確な方法を形成することができます。

look for
~ ~をさがす  get to ~ ~に着く

be good at
~ ~が得意である at last ついに

give up
~ ~をあきらめる  over there 向こうへ

sit around
ぶらぶらする take off 離陸する、(靴などを)脱ぐ

write to
~ ~に手紙を書く・・・など

例文で覚える前置詞

時間の前置詞

1.時刻、年、月、曜日など

  時刻をいうときには「at」が使われます。

  at 8:30
  at 6:30 a.m.
  at 8 o’clock

  年や月には「in」が使われます。

  in Ausust
  in July
  in 2008

  季節にも「in」が使われます。

  in summer
  in winter

  曜日には「on」が使われます。

  on Sunday
  on Monday

  特定の日には「on」が使われます。

  on April 5(4月5日に)
  on August 25(8月25日に)
  on Christmas Day(クリスマスに)

  午前や午後などには「in」を使います。

  in the morning(午前中に)
  in the afternoon(午後に)
  in the evening(夕方に)


時間の前置詞2

 2.in time と on time

 in time と on time は、よく使いますが、on と in だけの違いで、よく勘違いをしますので、ここでまとめておきたいと思います。

 とくに、両方とも、ビジネスや旅行など、日常生活では、よく使いますし、こんがらがって、意味を間違えると、大失敗にもつながりますので注意が必要です。


 in time は「(その時間に)間に合うように」という意味です。

 I got home just in time for dinner.
 私は、夕食にちょうど間に合う時間に家に着いた

 on time は「時間どおりに」という意味です。

 We arrived on time. われわれは、定刻に着きました。


時間の経過などの前置詞1

1.「~まで」の by と until

 by と until は両方とも「~まで」という意味がありますが、次のような違いがあります。

 by は「~までに」と、ある時間までの期限を表現します。

  You have to finish it by the evening
  あなたは、夕方までにはそれを完成させなければならない。

 until は「~までずっと」と、継続した時間を表現します。

  We must wait until he comes.  彼が来るまで待たなければならない

 2.「~から~まで」 from…to(until)

 ある時点からある時点までの期間を表現します。

 from Monday to Friday
 from Monday until Friday

 月曜日から金曜日まで

 through を使うとこうなります。
 from Monday through Friday

 月曜日から金曜日まで

時間の経過などの前置詞2

1.since と for

  since はある時間の起点をあらわし for はある期間をあらわします。

  since は「~以来ずっと」で for は「~の間」です。

  また、一般的に since は現在完了形や過去完了の中で使われます。

 <例文>

  He has been to Tokyo since Sunday.  彼は日曜日から東京に行っています。

  He stayed there for three days.  彼は、そこで3日間滞在しています。

 2.during

  during も「~の間」という期間を表現します。

  for との違いは during の場合は特定した時間をあらわします
 
 「試合の間」では、 during the game が使われて for は使われません。

 3. within

  within には「~以内」という意味があります。
  「ある時間内」という意味です。

  within ten minutes
  10分以内に


時間の経過などの前置詞3

on+動名詞(動詞のing形)

 前置詞の on に動名詞をつけて「~するとすぐに」や「~のすぐ後に」という表現をつくることができます。

 動名詞の代わりに動作をあらわすことができる名詞をつけることもできます。

 <on+動名詞>になります。

 たとえば、on に arrive の動名詞 arriving をつけるとon arriving で、「到着するとすぐに」という意味になります。

 <例文>

 On getting office, I finished off the work. 会社についてすぐに、私は仕事をかたずけた。


場所の前置詞1

 1.原因・理由

   at、for、from、of、through、withなど

   I was surprised at their activity.
   彼らの活動を見て、私は驚きました。

   Carelessness is responsible for your failure.
   あなたの失敗は不注意が原因です。

   He got ill from fatigue.
   彼は、過労が原因で病気になりました。

   He died of cancer.
   彼はがんで死んだ。

   This accident happened through negligence.
   この事故は、怠慢から起きた。

   President was pleased with this work.
   社長は、この仕事に満足しました。

 2.目的

   for、on、など

   This door is for emergency use only.
   このドアは非常時専用です。

   I came here on business, not for pleasure.
   私は、遊びではなく、仕事でここに来ました。

 3.材料

   of、from、in、withなど

   Automobiles are built of metals.
   自動車は、金属で作られている

   Metals is made from a mineral.
   金属は、鉱石からできている。

   I write a document in ink.
   私は、書類をインクで書きました。

   I filled the glass with water.
   コップに水を満たした。

 4.手段・方法

   by、with、in など

  I send this parcel by sea.
  私は、この小包は船便で送ります。

  Open the door with this key.
  この鍵でドアを開けなさい。

  I make payment in yen.
  私は、円で支払います。

 5.関連

   of、about、on、as to など

  I know all about it.
  それについては全部知っている。

  I congratulate you on your success.
  ご成功おめでとう。

  He said nothing as to the time.
  彼は時間のことは何も言わなかった。

 6.度合い・単位

   at、by、forなど

  Water boils at 100℃.
  水は摂氏100度で沸騰する

  The car traveled at (the [a] rate of) 40 miles an hour.
   時速 40 マイルで車は走った。

  It was sold by the yard [gallon].
  1 ヤール[ガロン]いくらで売られた。

  He looks young for his age.
  彼は年の割には若く見える。

  I bought it for $50.
  それを 50 ドルで買った。

  I paid $50 for this camera.
  このカメラに 50 ドル払った。

  These eggs are \150 for 10 [10 for \150].
  この卵は 10 個で 150 円です。

【 その他の前置詞 with と without  】

 7.with

  with には「一緒に」、「を持って」、「身につけて」などのという意味があります。

  He had no money with him.
  彼には金の持ち合わせがなかった。

  Will you come with us, too?
  あなたも私たちと一緒においでになりますか?

  Who is that woman with an umbrella ?
  あの傘を持った女性は誰ですか

 8.without

   without は「~なしで」という意味です。

  He did it without difficulty.
  彼は難なくそれをやってのけた。

  We can’t live without water.
  私たちは水なしでは生きていくことができません。

場所の前置詞2

1.「~の前」「~の後ろ」「~のとなり」


  旅行などで、道を聞いたり、調べたりするときによく使う前置詞をまとめてみました。


  The station is next to the bank.

   <next to A>で、「Aのとなり」

  The station is in front of the bank.

   <in front of A>で、「Aの前に」

  The station is in back of the bank.

   <in back of A>で、「Aの後ろに」

  The station is between the post office and the bank.

   <between A and B>で、「AとBの間」


場所の前置詞3

1.along 「~にそって」

  I walked along the shore.  私は海岸沿いに歩きました


 2.through「~を通って」

  Airplane fly through the air   飛行機は空中を飛んでいく.

  Train pass through a tunnel.  列車はトンネルを通り抜けます。



 3.around (round)「~の周り」

  We sat around a table.  私たちはテーブルの周りに座りました。

  The tree is four feet around.   その木は周囲が 4 フィートだ.

  I walked around the town.  私は街の周りを歩きました。


 4.across「~の向こう」

  I live across the river.  私は川の向こう側に住んでいます。

  I go across the road   私は、その道路を横切る。


 5.by と beside「~の近くに」

  My house is by the river.  私の家は川辺にあります。

  I stand beside him.  私は、彼のそばに立ちます。


その他の前置詞

1.at と in

  in には「~の中に」という意味があります。
  また in には「広い場所に」という意味もふくまれています。

  He is in the park.  彼は公園の中にいます。

  in a box(箱の中に)

  「箱の中に」という場合も「~の中に」という意味から in を使います。

  in a room(部屋の中に)

  in the sea(海の中に)

  またある国や都市にも in を使います。

  in Japan(日本に、日本で)

  in Tokyo(東京に、東京で)

  in the world(世界に、世界で)


  at には「~で」や「~に」というように「ある地点」という意味があります。
  また at には「(比較的)狭いところに」という意味もふくまれています。

  at the door(玄関で)

  at the corridor(廊下で)

  at the airport 空港で


 2.into


  in と似た into というのがあります。

  どちらも「~の中」という意味ですが、 in の場合は「~の中に」と位置や状態をあらわします。

  それに対し、into は「~の中へ」というように運動や移動をあらわします。


乗り物に乗るときの on と in

on は乗り物に乗る時に使います。

  I get on a bus.
  私はバスに乗ります。

  I got on a plane.
  私は飛行機に乗ります。

  ところが車の場合は少し違います。「in」を使います。

  I get in a car.
  私は車に乗ります。

  「on」が使われるのは、バスや飛行機といった公共で大きな乗り物の場合であって、車やタクシーといった小さな乗り物の場合は「in」が使われます。

  なお、降りるときにはそれぞれ次の前置詞を使います。

  バスなどの場合は get off を使います。

  I get off a bus.
  私はバスを降ります。

  車などの場合は get out (of) を使います。

  I get out of a car.
  私は車を降ります。